ライス: 連れ出し喫茶(結界崩壊)

6/19のAge Age Liveでのライスのネタがえらい面白かったんですよね。やーこういう下ネタ好きー。
http://www.youtube.com/watch?v=IyNQj0wME_I:Movie
このネタは、連れ出し喫茶に来たという設定で、客の関町氏が客席の女性客を連れ出そうとしてねめ回すという流れなのですが、途中の喫茶店員の田所氏とのやりとりがアドリブっぽくもあり、とても楽しかった。

すごいなと思ったのは劇場における「見る見られる」という関係、「舞台の内と外」の関係を上手く利用して、脱構築しつつ笑い(悲鳴?)をとっていたことです。

まず、このネタの一番面白いのは演者と観客の視線の関係が逆転していること。一方的に見る側という権威的なパワーを持っていたはずの観客が、このネタでは演者に見られる側へとあっさりと逆転させられてしまっている。すると途端に居心地が悪くなるのか、客席からは関町氏の一挙手一投足に悲鳴があがる。見る側という安全地帯が突き崩されるということを鮮やかに見せていて秀逸。

あと、関町氏が舞台から客席に乱入するのだけど、ここでもまた悲鳴が。舞台というのは一種の聖域で見えない結界に守られているという前提がどこかにある。(能舞台や相撲の舞台などはそもそも神事を行う場で、特にそうですね。)つまりは客と演者の間には見えない境界があるわけです。それをあっさり超えてしまう。そういう驚きを与えるからくりがとても効果的だったように思います。

ライスは常に様々な前提を突き崩したり逆転させたりするネタをよくやってますが、いやーうまいですね。ネタの台詞の文字を一文字とり変えたらストーリーが全然変わる(下ネタに!)とか。ちなみに客席乱入だけなら、かたつむりなんかもやりますが、上手さが全然違う。

驚かせつつ笑わせる。なのに下ネタで下品だったりしてバランスがとっても素敵。二人の普通っぽさと情けない感じとかもとてもいい感じです。
こういう男子の性のやるせない感じの下ネタは結構好きです。微妙な生々しさがあって。チーモンの下らん小学生下ネタも好きですし。

とりあえずライスはすごいと思いました。シチサンも企画の面白さで集客が上がってきたところで終了になってしまったのはとても残念なので、なんとかA Ageに戻ってもらいたいものです。