レッドカーペット終了

『レッドカーペット』終了で「レッド難民芸人」登場
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100726-00000012-rnijugo-ent

上の記事がweb R25に載っていました。最近どんどんネタ見せ番組が終了していますね。エンタの神様も終わりましたし。こういった番組が牽引していたショートネタブームが終了するということは間違いがないようです。
この記事では長めのネタを作ることができ、ライブで実力をたくわえてきた芸人が台頭する可能性について、芸人Bという方が指摘していますね。確かにその可能性はあります。が、なぜショートネタが流行ったかを考えれば問題はそう単純ではないかもしれません。というのも、短いネタが流行ったのは、それをテレビが仕掛けたからという側面もありますが、同時にそういった需要を掘り起こしたからでもあるからです。つまり、見る側がショートネタを求めてもいたのではないかと思うのです。またyoutubeなどで見るのにショートネタも向いていた。つまり需要と、それを押し進めるメディアとかが揃ったのが流行の理由の一つだったのではないでしょうか。そして一度短いネタになれた大衆は、そう簡単に長いネタをみるための集中力を回復することはできないのでは?ショートネタを支えていたyoutubeのようなメディアは完全に定着しましたしね。

以前、M-1時期にテレビとyoutubeとお笑いの関係について考えた事があります。
(http://d.hatena.ne.jp/punch-line/20081230/1230611641)
今回様々なネタ番組が終了したことにより、以前予見していた、お笑いがライブあるいはネットメディアでの表現としていかに生き延びるかを模索する時期が、ついに到来したのではないかと思います。

youtubeといったメディアは長いネタを見るのには不向きです。実際10分という制限がありますし、上げられている動画はもっと短いものが多い。そういった状況にあわせて、ネットで動画を見る為に持続する集中力というのはとても短くなっているのではないか?と思います。youtubeなどでアクセス数を稼ぐ動画はファーストインパクトが強く、コンパクトではなければ、大量な情報の海でザッピングすることに長けた世代にはアピールしないのではないでしょうか。

一方で、ここしばらくのお笑いブームなどで増えた、劇場までも足を伸ばすコアファンは、そういった短いネタではもう飽き足らなくなっているでしょう。コアファンに向けた長く練られたネタというのももちろん需要が拡大しているはずですし。
こうしてみると求められているネタの質がある意味両極化しているのかもしれません。
短くてつかみやすいネタ、長くて練られたネタというように。

こうした流れのなかで、インターネットやライブといったそれぞれのメディアに併せたネタを作り、セルフプロデュースする能力がこれからは求められるでしょう。

このブーム終了により、お笑いという表現がどう変化して行くか、心配でもあり楽しみでもあります。
願わくば実力のある芸人さんが不遇な扱いを受けませんように!
ポジティブに捉え、頑張って行って欲しいですね!要は発想の転換ということでもあると、芸人Bの言葉で思いましたし!

セルフプルデュース能力はないけれど、面白い芸人、も消えませんように。
(ちなみに、アート業界でのセルフプロデュースの達人、村上隆を思いだしました。が、彼曰く、純粋で計算できない天使のような才能は消えやすいらしいですからね。。。)