チーモンチョーチュウ単独ライブ:感想走り書き

指折り数えて待っていたチーモンの単独ライブをやっと見る事が出来ましたが、期待以上の出来でした!というか期待には必ず応える底力を今のチーモンはつけたんだなあと思える楽しいライブでした!

細かくはまた書くとして特に印象的だったことをメモ的に走り書きします。

まずオープニングVはライブスタンド本家のVからふんだんに引用した、本格的なパロディーで、今年初めて一番大きなステージであるコナモンステージに出演したという背景があった上での、映像だったので、ファンのボルテージは一気に上がりましたね!ライブスタンドに行けてない方も多いだろうし、うれしい演出だったのではないでしょうか?過去二回の単独のオープニング映像が、ライブスタンドをパロディーにしたチーモンスタンドいうものだったので、それを踏まえた上での、ついに今回はその本家の映像を使うコナモンに出演した彼らの成長がひしひしと感じられるファンにはたまらない演出でした。実際、過去のV、そして今年コナモンに出演したことなどの物語に支えられているからこその、厚みのあるものになっていました。

今回のチーモンの単独は、こういう過去の自分を自己参照しつつ、乗り越えるような作品が多く、チーモンは今折り返し地点にいるんだなというのがとても感じられました。ある程度芸が完成しつつかるからこそ、自分たちの限界へ常に挑戦していこうという意思が感じられ、ぞくぞくしましたね!

それが特に感じられたのは、三文字しりとりでした。言わずもがなチーモンチョーチュウの代表作は三文字ゲームという漫才です。後者が三文字で会話をするという比較的単純な制約の中で物語を編むことに専心していたのに対し、新作の前者は、言葉遊びにより集約するネタで、ネタを支える物語すら必要としない段階へと移行しており、言語遊戯としてかなり純化されたとても美しいネタだと思いました。
詳しく説明すると、三文字しりとりとは、存在しない三文字言葉を作ってしりとりをするというもので、今ある言葉を言ってはだめで、間違えたらげんこつの罰ゲームをするという白井氏発案のゲームです。存在しない言葉のしりとりなのだから、無限に続きそうですが、白井氏が色々ひっかけたり、本人はある二文字の言葉に一つの文字を加えてごまかしていたり、多種多様なトリックで菊地氏をはめるわけです。そして、ルールは後だしで、菊地氏は翻弄されるばかり。罰ゲームがげんこつだったり、一見非常に幼稚に見えるのですが、言葉の分解、再構築が何度も繰り返され、そして白井氏独特のどこか不思議な言葉遊びが駆使されていて、意味をなさない言葉でもこんなにも魅力的に響くのかと、感動する素晴らしいネタでした。不思議な語感の三文字がどんどん流れていくので、もっと長くやれば鑑賞者がトランスしちゃうかもしれないと思います。
まさに、言葉遊びを追求したら、言葉が瓦解し、音声になり、そしてそれでも聞いている側は意味を求めてしまう、というような構造をさらりと明らかにしていて、なんとも素敵なネタでした。そしてその実は複雑なネタを受け入れやすくしてしまう、二人のかわいらしい幼稚さ、親密さがなんともチーモンらしく、新しい代表作できたね!と興奮しました。三文字くくりで、こんなにも異質で新しいネタを作れるなんて!自己の代表作を乗り越えていく姿に鳥肌ものでした!

その他に気になったのはチーモンのネタの視覚的想像の喚起力についてです。
これは次回に続く!ということで一端筆を置きます!