チーモンチョーチュウが好きだ

いやー、こんなに芸人さんにはまったのは初ですよってくらい大好きだ。
大好きなのでどうして好きなのかとか、どうして面白いって思うんだろうかとかずっと考えてみてる。笑いなんて理屈じゃないっていわれるかもしれないのだけれど、あえて理屈っぽく考えてみたい。

どうも彼らはシュールと評されるらしい。
シュールってもともとの語義は超現実的って意味だけど、日本で一般的に使われる場合って、なんかしれーっとして不思議な感じの感覚をさすのかな。
特に芸人に対して使う時は、なにかちょっと低温な感じののりで、なんだろこれ?って不思議に思うんだけどだんだんじわじわくる。
っていうような感じの芸人さんに使う感じ。ポイズンガールバンドとかそういう感じ。

で、だ。
どうもシュール芸ってのは賞レースには向かないようですね。
ある種世界観が完成してて、一度はまると抜け出せない感じだし、しかも世界観で笑ってるから何度見ても笑えちゃったりする。そういう中毒性もあり、持続性もある笑いなのだが、ある一瞬、レースの終わりに向けてどんどん加熱して爆発しなければならないような場面だと一気に不利になっちゃうみたい。

なんでこんなこと書いてるかっていうと、チーモンがM−1に進出できなかったのは、彼らの特異な世界観ゆえであって、もし一気に沸騰するようなスタイルになったら、それが死んじゃうんじゃないかって思うから。

彼らは本来のシュール、超現実的なんじゃないかって思う。
どうも白井氏には現実にはありえないものが見えてるらしいし。
そして、どうもその感覚が漫才に反映されてるようだし。
19世紀にシュールレアリストたちが無意識からひねりだそうとした夢の世界に生きてて、それが漫才になってるとしたらそらもうすごいことだ。そして、そういう感覚を評価するのって、もしかしたらお笑いの師匠たちではなくて、文壇とか演劇界とかアート界にいるのではないかと思ったりして。

まだ敗者復活戦があるけど、決勝に残れなかったのはとっても残念であり、でも毛色が違うから別にいいのではないかとも思ったり。
ただM-1で優勝したり決勝に進出するとその後の道がひらけるからね。出てほしくもあり、でもかわらないでほしくもあり。

なんにせよ大好きだってことだ。
単独ライブ一分以内で完売とか、もうがっつり評価されてる気もするけれど、微力ながら応援していきたいなあ。