解説付きで見るM-1予選3回戦:マヂカルラブリーのノイズ漫才

よしもと見ホーダイにはりけーんずと華丸大吉が解説を加えているM-1の2回戦と3回戦がアップされました。
2回戦はちょっと、まだまだがんばれーって感じの人たちがピックアップされてましたが、3回戦はなかなかの人気者も取り上げられていて面白かったです。

特にマヂカルラブリーに対するコメントが面白かった。
はりけーんず前田さん曰く、「こんなネタよう書かんし、習ろてもないからなんもよう言わんわ。おらんかったわ、こんなん。やってたら怒られたわ。」
(ふむふむ、ベテラン勢から見るとやっぱりマヂラブは異星人なんですかね。)
大吉さんも、「僕は恐くて出来ないですね。」「こっから先は分かりません。われわれの手には負えません。」と。
さらにさらにはりけーんずの前田さんが「誰にも真似出来ないネタなんでこのままいってほしい。」と言ってました。
そして、極めつけというか仕上げにというか大吉さんが、「われわれアラフォーには手におえません。アドヴァイスも出来ません。」と言ってしめていました。

すごい長い時間いじられてましたよ。そして、このコメントって絶賛に近いんじゃないかなあ。自分でよくわからない、スタイルも違うのに、それが唯一無二と認められ、しかも面白いって言われてる!すごいやー。
そして、大吉さんの、「この先」というのがポイントで、まさにマヂラブを前衛、先にあるものとして捉えているのが分かりました。

やっぱ、マヂラブを見るとある種のアヴァンギャルドなものを見ている感じは誰しもが持つんだなあと、プロのコメントを聞いて改めて思いました。2回戦のコメントなどで大吉さんは、若手を色々な漫才師に例えてたりしてたので、当然かなり詳しいわけです。はりけーんずだって、M-1の司会をやりまくりで、もういやってほど漫才は見ているはず。そうした人に、なんだか分からないけどすごいって思われてるなんてなあ。
ぱちぱち。これからがんばれー。
そしてやっぱり3回戦落ちした理由はそこだと改めて思いました。つまり訳がわからないものを面白いとは思わない人もいるだろうってことです。きっと審査員に苦手な人がいたんじゃないでしょうか。ギター漫才とか、歌ものとか、漫才としてはちょっとイロモノでも、ネタとしてはベタなものは通って、マヂラブが落ちたのは多分その表現の新鮮さについていけないからだ!ええ、私はマヂラブのファンなので、(今まで何も書いてなかったけど)ここで絶賛しときますよ。超アングラナイトとか、マヂラブが出てたから躊躇なく行くことを決めましたしね。

前にもちらっと書きましたが、マヂラブの漫才ってノイズ漫才なんですよね。普通漫才はコミュニケーションで、1対1の対話であり、かけあいであるんだけれども、マヂラブはその掛け合いの中にノイズが混じっている。ただずらすだけじゃなくて、村上の言葉に全く関係のない言葉をかぶせてみたりする。そしてそれを村上がスルーするので、ちゃんとしたコミュニケーションと、ちょっと耳ざわりで違和感のある言葉とが残って不思議な手触り。
あとは、野田君の動きが面白い。ミルククラウンとのシャッフルトークで言ってたんですが、あの動きは狭いスペースでダイナミックさを出すために編み出されたそう。中野あたりのかなり小さなスペースで舞台経験のある野田君ならではです。つまり、空間移動はあまりしていないのに、動いて見えるんですよ。あんまり高く飛んでいないのに、あたかも高く飛んでるように見えるんです。空中でちょっととまってる感じで。とまったまま走ってるみたいな動きとかもありますが、あの感じたのしいなあ。
準決勝のレポでオリラジについて書いたときにも言いましたが、私は動きについてちゃんと評価できないんですが、それでも野田君の動きは面白いって分かる。そして、言われてみればなんか合理的。そして独特。

マヂラブにはオリジナルなところがたーくさんあって、しかもそれを先輩にも認識されている。どっかでパズルがはまったら、どっかーんと行くのかも。野田君のあえての空気読まないような発言も、実は計算されてて面白いしね。意外とトークもいけそうだとにらんでいるよ。なにせブログがおもしろいもの。あんなに短い文なのにちゃんとオチまであって、ちょっと切なくって。文才ある!
野田の日記(http://tosp.co.jp/Niki/TosNK100.asp?I=nodacrystal&P=0)

未見の方はミルクラとのシャッフルトークM-1予選3回戦東京ー第2部(前編)は是非見て下さい。