チーモンチョーチュウって名前からしてチョースゲー(オノマトペ続編)☆

チーモンチョーチュウっていうコンビ名はwikipediaによると、バーチャファイターの裡門頂肘(りもんちょうちゅう)という技の名前をもじったんだとか。りもんちょうちゅうってのがもともとなんかかっこいいけど、それをもじったチーモンチョーチュウっていう名前のセンスがさらに素敵。なんだろうね。チーモンチョーチュウっていう名前がなんかすでにオリジナルのオノマトペ擬声語、簡単にいうとマンガとかにでてくるゴゴゴゴとかそういうの)っぽいんだよね。言葉のセンスが鋭いなあと思う。よしもとから、名前がややこしいからと改名を迫られたこともあるそうだけれど、ほんと、そのままでいてくれてよかった。

では、オノマトペネタについてもうちょっと書いてみよう。一個前のエントリでもふれた代表作であろう歯医者ネタについて。
http://d.hatena.ne.jp/punch-line/20090104/1231024698

(http://jp.youtube.com/watch?v=5aIdLEF)
これは、歯医者の歯を削る音の「キュイーン」からどんどん「キュー」がつく言葉が飛び出してくるネタ。下らなくって大好き。オノマトペである「きゅー」と名詞の韻を踏んじゃってるわけだよね。ラップで言う所のライム。
「きゅーり」「きゅうきゅうしゃー」とか。

ところで、かつて参加した勉強会で日本文学を研究されている方が、日本では韻を踏む押韻詩はあまり成功しなかったとおっしゃっていた。なぜなら日本語の動詞は活用の関係で語尾が皆似ているので、母音をそろえるのは簡単だし面白みがない。だから発展のしようがあまりなかったそうな。工夫して倒置法を用いて、名詞で文章をしめくくったりすると多少はバリエーションがあったようだけれど、それでもやぱりいまいちだった模様。

さて、チーモンのネタではオノマトペと名詞で韻踏んじゃってる。まあきっちり踏んでるわけじゃないんだけど、「キュー」つながりでどんどん言葉を重ねていってる。これはあくまでも白井氏の声でもってやるっていう前提で面白いとは思うけれど、この韻の踏み方とパフォーマンスとでなんだか愉快な化学反応が起きてとってもおかしい。「キュー」がつく言葉が続くと思いきや脱線したり。そして言葉のチョイスがこどもっぽいのでなんだかかわいい。

あ、チーモンオノマトペと名詞で韻を踏んじゃうのって、実は押韻詩の新しい形なんじゃない?ってふと気がついた。もしかして他のお笑いの方とか詩人とかもやってるのかもしれないけど、小難しい純文学が挫折したことを、なんのてらいもなくやっている気がしてすごいなあと思った。ライムとか押韻自体がわりと詩のテクニックとしては初歩的だと思われている。そしてオノマトペもどちらかといえばマンガとかのサブカルチャーでのほうが生き生き使われているし。へんな偏見がないからこそ、なんなくオノマトペとかライムとかを組み込んでいける漫才、そしてチーモンってすごい。チーモンはやっぱ詩人。
そして漫才は人前で演じるということが前提なので、必ずしも朗読されるわけではない詩には欠けている、パフォーマンスの面白さが加味されて、奇跡的な輝きを見せる時があるんだと思う。

なんか色々書きすぎて私ってきもいだろうかとふと思う。
チーモンにインスパイアされすぎて仕方ないんだ。まあ批評は愛ですから。大目にみてください。

(追記:ライムに関してはラップについても、もっと考えないといけないですねー。とくにチーモンは世代的に日本でラップがポピュラーになるころですしね。要勉強だわー。)