S-1グランプリ???

ソフトバンクが携帯の新機種発表の記者会見でべらぼうな企画を明らかにしたようです。オンタイムでネット配信されていた記者会見は見そびれましたが、ソフトバンク主催によるS-1グランプリ(S-1バトルの間違いでした。)とかいうお笑いの賞レースが開催されるらしい?
http://mb.softbank.jp/mb/special/s1battle/index.html
http://life.oricon.co.jp/62588/full/
<漫才、コントなどネタのジャンルや芸暦を問わずに行われる同大会は、毎日2組の芸人がモバイル上でネタを披露し対戦し、それをソフトバンクユーザーが投票で勝者を選出する。月々で月間チャンピオンを選出し、最高12組による年間チャンピオン決定戦を開催する運び。年間チャンピオンの賞金は1億円で、お笑いコンテストでは最高額。月間チャンピオンにも1千万円の賞金が用意される待遇で、さらに年間チャンピオン決定時にはユーザーにも抽選で1千万円が当たる>

らしい。要は完全に視聴者が選ぶお笑いコンテストってことね。しかし賞金額とかすごいな。投票数集めるために、投票者にも賞金があたるという試みもあるわけね。ふんふん。

M-1が行われる度に、審査員の私情やバイアスの指摘、吉本興業という会社主催故に吉本びいきがあるんじゃないかという批判なんかがあったので、もうそういうバイアスがかかった審査員制度はやめて完全に視聴者投票にしちゃおうというわけですね。わお民主的。

たのしみだなーと思う反面、M-1に対する注目度は実は漫才の面白さそのものだけじゃなくて、賛否両論ある悪名高き吉本興業がやってるということの批判とか、島田紳介とか松本人志とかがどんなコメントするかなんていう要素も含めて注目を集めてたと思うので、そういう要素がなくなってもちゃんと楽しいかな?と危惧してみたりもします。ていうか、そもそもM-1というもの自体をありあまる愛でもって愛してるお笑いファンが多かったからこそ、みんな一家言あって、なんかしら言いたくて仕方なかったわけです。だからにわか企画でM-1ほど人気を集めるのは難しいと思うなあ。

M-1グランプリっていうのはすでに、M−1という大会をめぐる言説を含めてM-1なわけですよ。M-1という青春物語をみんな楽しみにしてるんだよね。

ただ単に賞レースをやればいいというわけではないのですね。まあ便乗商法だからね。そんなに簡単に二匹目のどじょうは狙えないと思うわー。ま、しゃあないか。てかソフトバンク携帯もってないとだめなんでしょ。がーん。

Rush-1といいS-1といい、M-1便乗企画が最近にわかに多いですねえ。M-1の加熱っぷりがクレイジーだったのでまあそれに乗っかりたい企業が多く出て来るのは仕方ないですかな。しかもM-1前後にM-1について書いたブログも尋常じゃないくらい多かったもんですもんね。この驚異的な口コミ力も、まあ見過ごすわけにはいかないでしょうね。企業としては。
「M−1のお笑い批評家創出力」については下のエントリが面白かったです。
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2008/12/m-1-e2eb.html
インターネット、さらには携帯に特化したコンテンツ、とメディアはめまぐるしく変わっていきますね。
単純にお笑い批評という批評自体がこれから豊かになってくんだろうなとのんきに思ってましたが、批評文化の熟成以前に、その経済効果をいかに利用するかという方向に進むんですね。
常々文化を批評するということは、後の世代のために参照項として記述するということ以外にあまり意義がないのかなとか思ってましたが、経済の活性化に批評(というより口コミ)が役立つ時代が到来したのでしょうかね?なんだか不思議。とっても不思議。

賞金額はクレイジーだけど、試みとしては面白いとは思うので、今度こそチーモンにがんばってほしい。ほしいいいいい。

追記:しかしまあ、今やお笑いの経済効果って視聴者が思ってるよりすごいんですね。真面目にお笑いを好きな人ほどこの企画に対して怒ってるみたいですね。でもそれすらも作戦のうちという感じがしてしまう。反対意見もブログに書くと宣伝になってしまうわけで。Scandal sells!なので。いやはやソフトバンクこわいねー。すごいねー。